コラム アーカイブ
Vol. 4 ベテランデザイナーの巧みな「技」に酔う [2008-02-05]
レストランやショップがオープンすると言っても、真新しいピカピカのビルに出店するケースばかりではありません。ここ10年ぐらいに目立っているのは、民家を改修して飲食店に転用する事例です。昔の蔵を活用したカフェやバーなどもあります。たとえ繁盛店でも、完成して10年もたつとデザインや設備が陳腐化するのは否めません。こうした場合も改修が必要になってきます。「商空間アワード2007」の候補作ノミネート第四弾となる今回は、リニューアル事例を中心に集めてみました。
10作品を押しなべてみると、ベテランデザイナーのいぶし銀とでも言うべき「技」が光ります。

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例えば、高取邦和氏の手になる「ヒカリヤ ヒガシ・ヒカリヤ ニシ」。明治時代の建築に手を入れてレストランにしたものです。地場産の木材を焼いてつくったテーブルが畳に見事にマッチしています。小林恒氏が手がけたそば店「むら玄」は、酒蔵を移築して店舗に活用。インゴ・マウラー氏デザインのモダンな照明器具を合わせるなど、新旧が調和した空間をつくり上げています。
そのほか、東京・六本木のギャラリー、AXISに新たに生まれたショールーム、新宿髙島屋のリニューアルなど、著名スポットにも目を向けてみました。バリエーションに富んだ作品をお楽しみください。
Vol. 3 建築のコンセプトが内部まで染み渡る空間を体験 [2008-01-22]
建物のファサードは、建築家の考えを見事に表現していても、個々の店は別のデザイナーが独自のボキャブラリーで仕上げており、「どうもしっくりこない」という商業施設は少なくありません。もちろん、そのギャップが、商空間の非日常性をうまく引き立てていることもありますが、図らずしもそうなった場合も多いのではないでしょうか。商空間アワードの候補作ノミネート第三弾では、建築デザインが内部まで染み渡り、一つのストーリーをつくり上げている作品をピックアップしました。
例えば、平田晃久氏の設計した桝屋本店。5m角のコンクリートキューブを連ねたショールーム兼オフィスです。それぞれのキューブは、

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斜めにカットした壁で仕切っています。建物の外部に立つと、斜めの壁が重なり合って奥の空間が見通せず、気になって内部に足を踏み入れる。内部に入るとシーンが変化し、さらに奥への興味をそそられる、という仕掛けなのです。また、亡き黒川紀章氏が設計した国立新美術館では、曲面を描くガラス面にマッチするように、逆円すい形の大きなコンクリートコアを挿入。コアの上にはカジュアルなレストランを配しています。まるで、宙に浮いたような気分で、著名なポール・ボキューズ氏の味を気軽に楽しめます。
Vol. 2 話題の大型施設で著名な建築家やデザイナーが競演 [2008-01-08]
2007年春には、東京・六本木の「東京ミッドタウン」や同丸の内の「新丸の内ビルディング」、名古屋駅前の「ミッドランド スクエア」といった、商業モールを持つ大型施設の開業が相次ぎました。さらに、秋には有楽町駅周辺や東京駅八重洲口などに話題の商業ビルが複数、誕生しています。「商空間アワード2007」の第2回のノミネート10作品は、これら大型施設内にオープンしたショップやレストランの中から選んだものです。
東京ミッドタウンからは物販店を4店舗、ともに東京駅前に建つ新丸ビルとグラントウキョウ

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からはレストランを計3店舗ピックアップ。ミッドランド スクエアからはレストランと物販店、ショールームをそれぞれ1店舗ずつ選びました。隈研吾氏や内藤廣氏といった著名建築家、森田恭通氏や小山トシオ氏をはじめとする売れっ子インテリアデザイナーがデザインに腕を振るっています。
10作品という限られた枠の中で選んでいるので、ほかにもデザインに見どころのある店が目白押しです。まだ、現地を訪れていないならば、ぜひ足を延ばしていただきたい。最新のインテリアデザインをまとめて見学することが可能です。
Vol. 1 アイデアが光る若手建築家のスペースデザイン [2007-12-06]
これから5回に分けて、デザインに優れた商業空間を公表していきます。2007年発行の日経アーキテクチュアと関連別冊に掲載された作品のほか、掲載の候補に挙げられた作品から選定します。おおむね06年10月から07年11月までにオープンした店舗です。 1回目のテーマは、40歳以下の若手建築家が提案する空間。最近、1970年代生まれの建築家の活躍が目立ってきました。彼らは住宅に限らず、商業施設でもその能力を遺憾なく発揮しています。豊かなアイデアを期待して若手建築家に白羽の矢を立てるクライアントも少なくありません。今回選んだ「JIN's GLOBAL STNDARD 流山店」のオーナー、ジェイ アイ エヌの田中仁社長も、ほとんどの店舗デザインを建築家に依頼しているといいます。

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「HOYA CRYSTAL TOKYO」を設計した中村拓志氏は、物語や虚構の世界を築き上げています。これまで建築家の多くが否定してきた手法にあえて挑んだわけです。流行のスタイルや意匠に満足せずに、さらに踏み込んだ提案が見られるのが彼らのデザインの特徴だと言えるでしょう。アートディレクターやアーティスト、照明デザイナーなどとのコラボレーションも見ものです。実際の空間をぜひご体験あれ。
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